最近売れ出したようなフリーランスは、仕事が殺到してかなり忙しくなる。
きっと、朝起きて仕事、昼ごはんを食べて仕事、夜ご飯を食べて仕事、といったように「起きてる時間は全部仕事」状態になっている人も多いのではないだろうか?
僕もそうだった。スタバに出向いて鋭い眼光でMacBookと一日中睨めっこする生活を続けていた。
しかし、最近になって僕はその方針を一転し、1日の仕事量を意図的に減らすようになったのだが、その作戦が見事にハマり、今月は少ない労働時間で売り上げを維持することに成功した。
そう、みんな働きすぎだ。働きすぎて自分の幸福度と売上を落としてしまっているのである。
もちろん、仕事が大好きで大好きでたまらない気持ちもわかる。パソコンを開いていないとなんだか落ち着かないという気持ちもわかる。
だが、一日中仕事で張り付き状態なのはあまり良くない。
これから書く内容は、今仕事が忙しくて止まないあなたへ向けたものだ。
僕も、仕事に関する相談は色んな人にしている。そこで、僕の尊敬する人に教わったことを、今度はあなたに伝えようと思う。
「あなたに伝える」と言いながら、この内容を自分に言い聞かせるために書くとする。
「自分が一日中目一杯働かないと稼げない」というセルフイメージは断ち切るべき
あなたがプレイヤーとしてずっと自分で手を動かしながらライターとして働いていくのであれば、別に一日中仕事のスケジュールを入れて働いても構わない。
しかし、あなたが将来外注を雇ってクライアントワークを仕組み化したいと思っているのであれば、そもそも「自分が一日中働かないといけない」というセルフイメージを排除するべきだ。
逆に「一日の労働時間をもっと減らして今よりももっとパフォーマンスを上げられる方法ないか」と考えてみて欲しい。
あなたの理想は何だろうか?
自分がディレクターになって、今よりももっと楽になりたいだろうか?
もっとスキルをあげて、高単価なライターになりたいだろうか?
もしあなたがディレクターになって仕組み化し、楽になりたいのなら、そもそも発送を転換しないといけない。
「たくさん働いて原稿料を稼ごう!」
という発想の時点で、あなたはディレクター思考ではない。
なぜなら自分が外注して仕組みを作る側に回るとしたら、自分ではなく、他人に働いてもらわないといけないからだ。
つまりあなたは頭では「外注して楽になりたい!」と考えているのに、実際は「自分が手を動かして一日中働く」という、理想と全く逆の方向に走っていることになる。
だからあなたには「いかに自分が働かずして今以上のパフォーマンスを出すか」を考えて欲しい。
僕もちょっと前まで休日返上で一日中缶詰状態で働いていたが、あえてその時間を削ることで「限られた時間をいかに使うか」という思考になった。
「時間が無限にある」と思った瞬間、みんな思考停止になってしまう。
しかし、実際のところ時間は無限にはない。だからこそ、限られた時間でいかに効率よく、質の高い成果物を生み出せるのかに拘らないといけない。
「毎日朝から晩まで働けばいいや」という思考だと、あなたは無意識に自分で手を動かしてしまう。
しかし、あえてそこで働く時間を絞ることで「どうすれば限られた時間内でタスクを完了できるか」を考えるようになる。
あなたが将来的にもっと楽になりたいのなら、「忙しい自分」を今ずっと体験していてはならない。
「忙しい自分」というセルフイメージが定着してしまい、ずっと忙しくなってしまうからだ。
そうではなく、常に「時間が確保できている自分」をイメージしなければならない。
そのために、忙しいスケジュールを組むのを極力避けるべきだ。
もちろん、時には忙しくなってしまう時もあるだろう。
しかし、「忙しい」にも質が重要だと考えている。
1、新しい仕事をやっていて忙しいのか。
2、外注さんの教育に注力していて忙しいのか。
3、スキルアップのために色々と勉強しながらやっているから忙しいのか。
4、それとも、今までと変わらない仕事を、自分一人で大量に受けているから忙しいのか。
1〜3ではなく、4の理由であなたが忙しいのであれば、今すぐ見直すべきだろう。
・今の仕事を他のライターに任せられないか?
・もっと効率的にやる方法はないか?
・さらにステップアップした仕事はできないか?
といったところを考えてみてほしい。
パンクしたら元も子もない
そしてこれはそもそも論だが、朝から晩まで毎日ずっと働くスタイルはパンクする可能性が高い。
常にエンジンをかけて、毎日休みなくフル稼働しているということは、いわば毎日休むことなく連投してるピッチャーのようなものだ。
ライターという仕事は短期決戦ではなく長期戦である。
だからこそ、長期的にパフォーマンスを最大限発揮できるワークスタイルを考えるべきだと考えている。
毎日を無理すると、いつかボロが出る。
だんだん集中力が切れてくるし、なんとなく記事の質も落ちてくる。
野球でピッチャーが毎日連投して良いボールを投げることなんて不可能であるように、オフが一切ない長期戦は結構無理がある。
僕もかなり真面目な性格なので「毎日仕事しないと置いていかれるんじゃないか...」といった不安が毎日あった。
Twitterを見ると競合がたくさんいるし、みんな新しいことやってたりすると正直焦る。
だから「負けるわけにはいかない」と毎日仕事をしたくなるのだが、僕みたいな真面目な人間はそこで逆に肩に力が入りすぎて、逆にパフォーマンスが落ちる。
クライアントから大量の案件をもらえれば、それはもう忙しいだろう。もちろんもらった案件の納期をすっ飛ばすなんてことは絶対にできないので、忙しくなるのも仕方ないが、逆に毎日忙しすぎてパンクしてしまう方がクライアントに迷惑をかけてしまう。
クライアントとのお付き合いも長期が前提であるということを忘れてはいけない。
今パンク寸前で我慢しながら働いていても、きっといつか崩れる。
自分が不幸な状態で人を幸せにはできない
もしあなたが好きで仕事を毎日やっていて、それで幸せならそれでいい。
しかし、忙しくて不幸な状態で仕事をするのであれば、それは辞めた方が良い。
なぜなら、自分が不幸な状態で人を幸せにはできないからだ。
文章というのは、自分の感情やエネルギーがこもる。
あなたがネガティブな気持ちで文章を書いているなら、そのネガティブな気持ちがクライアントの媒体にも移ってしまうかもしれない。
そうなると、誰も幸せにならない。
相手を幸せにするために、自分がまず余裕を持たなければならない。
飲食店でバイトしたことがある人ならわかると思うが、お客さんを接客する時に、土曜日のめちゃくちゃ混む時間帯に接客するのと、平日のめっちゃ落ち着いた時間帯に接客するのであれば、どちらが良いおもてなしをできるだろうか?
おそらく、後者だろう。
常に切羽詰まった状態を作るのも、ある程度余裕がある状態を作るのも、全て自分の裁量だ。
あなたがなんで今忙しいのか。それを考えて欲しい。
僕も最初は朝から晩まで働き詰めの日々だったが、自分のためにも、お客様のためにも、あえて自分が働く時間を減らす作戦に出た。
その結果自分にも余裕が生まれ、チームのライターさんのスキルもアップし、結果的に自分の労働時間が減り、売上は激務していた頃と変わらない数字で維持できるようになった。
そもそも忙しいとキャパがパンク状態になるので、新しい仕事が入ってこない。だからこそ自分に余裕を持たすべきだ。
忙しくするも自分。暇になるのも自分。
「今忙しい」という人は、自分でそうしてしまっているのである。