「記事の読み手が誰なのか」これはライターが記事を書いていくうえで、最も重要なことだ。

ライターが「記事を書く」ということは、つまりは必ずそこに「読む人」がいるということ。書く人がいるということは、読む人もいるのである。

それくらいは皆が分かってはいると思うが、これについては、多くのライターができていないことだ。

それが何かというと、「自分の書いた記事を読んでる人って、一体誰なの?」ということである。

いわゆる「ターゲット」とか「ペルソナ」とか言われるアレだ。

この記事を読んでいるあなたは、ちょうど今クライアントから記事作成の依頼を受けて、デスクに張り付いて記事を書き上げている途中かもしれない。しかし、その手を止めて一瞬だけこの問いに対する答えを考えてほしい。

「あなたが書いているその記事を読む人って、一体誰ですか?」

この問いかけをした時、多くのライターが答えられない。しかし、よく考えてみると、これは致命的なことなのではないだろうか。

書いてる本人が「誰が読んでるかわからない」と言っているのだから。

これはまるで、誰が聞いてるのか全くわからない状態で、一人で暗闇の中でセミナーを開催するようなものだ。あなたも相手がどんな人なのか全く分からない状況でコミュニケーションはできないと思う。

「記事を書く」ということは、読者とコミュニケーションをしているということに他ならない。仮にあなたの記事を読んでいる人が「田中さん」という名前なのであれば、田中さんに全力で語りかけないといけない。

それがSEO記事であっても、コラムであっても、セールスレターであっても、LINEのシナリオであっても、全部同じだ。

僕たちがリアルで会話する時、目の前に必ず「人」がいる。それは文章でも同じ。僕たちはしゃべる前に相手のことをある程度理解しているから、円滑なコミュニケーションが取れるのである。

しかし、こと記事を書くことになると、途端に「読み手がどんな人なのか」をすっ飛ばしてしまい、一方通行の状態で書き始めてしまう。

では、改めてあなたに問いかける。

あなたが今Googleドキュメント上で書いている原稿を読む人は、どんな人だろうか?

男性なのか、それとも女性なのか。

年齢は何歳だろうか。

ピチピチのスキニーを履いたヤリラフィーのような20代前半の若者かも知れないし、もしかしたらもっとインテリジェンスな30代のサラリーマンかもしれない。

しかし、ヤリラフィーとサラリーマンじゃ、伝えるべきテイストも変わってくる。

そして、あなたの記事を読む人は、一体今どんな人生を歩んでいて、何に悩んでいるのだろうか。

例えば「転職」に関する記事ならば、会社でやりたくもないことをあくせくやらされて「しんどい」とため息をつきながら、山手線に揺られながらみなさんの書いた文章を読んでいるかもしれない。

仮にこの人の名前が「鈴木さん」であれば、あなたはこの鈴木さんの人生について全力で考え、最適な転職の選択肢を提供する必要がある。

そこには、必ずあなたと同じ生身の「人」が実在していて、本気で悩んでいることがある。本気で解決したい問題がある。

読者も決して暇ではない。貴重な時間を割いてあなたの記事を読みに来ている。

そんな中で、書き手である張本人が「一体誰に対して記事を書いているのか分からない」という状態で、本当に読み手の悩みを解決できるだろうか?

もちろん、わざわざ記事を書く前に「誰が読んでいるか」なんて考えるのは面倒だ、そんなこといちいち考えるのはしんどい、という気持ちも分かる。

しかし、ちょっとした一手間を加えるだけで、記事の質は必ず変わる。

誰かに向けて書かれている記事とそうでない記事とでは、多分あなたの文章にこもる熱量もエネルギーもまるで変わるだろう。

なので記事を書く前に、もう一度読み手がどんな人なのか、考えてみよう。

「やべ、想定読者を一切定めてなかった!」というのであれば、今からでも遅くはない。
まずは1人、どんな人が読んでいるのか考え、その定めた1人の問題を全身全霊で解決しにいこう。

「記事を書く」ということは、「特定の誰か」に向けたメッセージなのである。

 

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