ライターを始めてかれこれ4年の年月が経つが、僕がずっと意識してきたことがある。それが何かというと「自分の文章にツッコミを入れること」だ。
「いや、この文章どう考えても読みにくいんやん!」「いやいや、難しすぎるわ!こんな内容書いてもペルソナ絶対この文章理解できんやん!」など。ある程度記事を書き上げたあとは、自分の文章を客観的に見る時間を設け、自分で自分の文章にツッコミを入れるようにしている。なぜなら、そうやって自分の文章の"違和感"や"間違い"に気づくためである。
そもそも僕は兵庫県神戸市出身で今は大阪に住んでいるが、学生時代は関西の学校に通っていたこともあって、俗に言う「関西人」と過ごすことが多かった。関東の人だとあまり馴染みがないかもしれないが、関西人は常にボケとツッコミを探す習性がある。僕の学校でも、ボケとツッコミの文化があって、誰かがボケたら必ずそこで突っ込まないといけない、という風習があったのである。
あと、そもそも関西では「面白いやつ=偉い」みたいな慣習があるので、笑いを取りに行くことにみんな命懸けだ。(もちろん、全員がそうではないと思うが。。)
だから、僕はわざわざ笑いのスキルを磨くためだけによしもと新喜劇を何本もみたり、フットボールアワー後藤のツッコミを研究したりしていたのである。適切なタイミングで適切なツッコミを入れないやつや、適切なタイミングで適切なボケを噛ませないやつは、一瞬にして「おもんないやつ」認定されてしまうのだ。
こうなってしまうと、友達の中でも非常に雑な扱いを受けてしまう上に、中々上位層まで上り詰めることができなくなる。
つまり「ツッコミ」は、関西人にとって必要不可欠となるスキルだったのだ。
しかし、そのおかげで日常のあらゆるものにアンテナを貼る習慣が身についた。なぜなら「ツッコミ」は日常生活における「違和感」や「矛盾」に気づけないとできないからだ。
その癖が染み付いているから、普段から街を歩いててもツッコミどころに気づいてしまう。
しかし、これはライターになってとても役に立ったと思う。ライターも"気づく力"が重要だ。
「この言い方ちょっと違和感ない?」
「その表現おかしくない?」
「なんかその書き方ぎこちなくない?」
あなたは、自分の文章の"違和感"に気づくだろうか?
自分の書いている文章の違和感に気づき、「いや、ここおかしいやん!」というツッコミができるようになれば、かなり腕のあるライターになれるだろう。
これは他の著名なライターも言っていることだが、記事を書くときは「文章を書く自分」と「記事を編集する自分」の2つが必要だ。一人二役である。
(たしかこの本だったと思う→書くのがしんどい)
まずは1人目の自分が記事を書き上げる。その後二人目の自分が、自ら書いた記事を厳しくチェック(編集)するのだ。この2人目のチェックの部分が「ツッコミ」である。
今となっては、自分で記事を書くというよりもどちらかというと他人の文章にツッコミを入れるようになったが、やっぱり他人の文章の方がより客観的な視点で見れるので、ツッコミを入れやすい。
もしあなたが自分の文章にツッコミを入れられないのであれば、誰でもいいので、他人の文章をチェックして、ツッコミを入れれないか見て欲しい。
自分の文章と他人の文章は違う。自分の文章だと気づかなかった点が、他人の文章だと気づくことがよくあるのだ。だからこそ、他人の文章を添削するのはおすすめなので、ぜひ文章力アップのためにやってみてほしい。お笑いにおけるツッコミだって、自分で自分にツッコむよりも他人にツッコむ方がやりやすいはずだ。
なお、基本的に商業利用するための文章の編集は「良い部分を伸ばす」というよりは「悪い部分をなくしていく」スタイルが多い。いわば、減点方式だ。
あなたもライターをやっていれば、一度は経験があるだろう。
「ここを修正してください」「ここはこう直してください」と言われたことが。
そう、「悪い部分は目をつぶるから良い部分をもっと伸ばしてくれ」とはあまり言われない。
「悪い部分を全部修正してくれ」と言われることの方が多いのだ。
良い点が加点されるというより、悪い点が減点されていくのだ。(もちろん、編集者によっては異なる場合もある)
だからこそ、自分の文章における欠点や違和感には、鋭くツッコミを入れていく必要があると考えている。
明日からでもぜひやってみてほしい。自分の文章は本当に違和感がない文章なのか。本当にクライアントの求める文章なのか。
僕もまだまだ未熟だ。だからこそ、常にトレーニングを続けている。
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