「こちら修正をお願いします」「ここですが、もっとわかりやすく表現できないでしょうか?」
ライターをやっていると、発注者からこのような指摘を受けることがある。
そう、修正作業だ。
ライターとは、自分の書いた文章をお客さんに納品してお金をもらう仕事だ。ブロガーと違って「お客さんありき」の商売なので、僕たちは「自分が良いと思う文章」ではなく「お客さんにとって良い文章」を書いて提供しなければならない。
なので、ライターというクライアントワークに修正作業はつきものなのである。
ただ修正を命じられると、あまり大きな声では言えないが面倒だと感じることもあるかもしれない。それに、長々とフィードバックを受けていると、なんだか自信がなくなってしまう気持ちもわかるし「俺ってだめなのかな...」とネガティブになってしまうこともあるだろう。
しかし、そんなことはない。多くの発注者は、あなたに期待をして修正指示を出したり、念入りにフィードバックをしたりしているのだ。
では、なぜクライアントはそんな面倒なことをわざわざライターに対してやっているのか。正直言って修正なんて、クライアント側が自分でやってしまった方が早いし、伝える手間も省ける。フィードバックも時間が取られるし、できるならさっさと自分でやってしまいたいというのが本音だ。
しかし、それでもライターに手を動かしてもらうのは、ライターが少しでも成長してほしいからである。
修正点やフィードバックが多いということが、決してだめなわけではない。
それはいわばライターへの先行投資だ。次もあなたに依頼をしたいから、念入りにフィードバックするのである。
そもそもクライアントの時給価値はすごく高い。
自分で作業をするくらいなら、ライターにそれらの作業を任せてしまった方が自分たちはもっと生産性の高い仕事ができる。だからライターに作業を任せているのだ。
つまりクライアントにとって、ライターに時間をかけている暇などないということ。
じゃあ、時給価値1万円のクライアントが、あなたに1時間念入りにフィードバックして修正依頼を出したとしよう。するとそのクライアントは、実質1万円のコストを支払ってあなたにフィードバックをしているのと同じである。
あなたの記事単価が1万円だったとすると、クライアントの実質的負担コストは2万円だ。
こうみると、クライアントがライターに時間をかけるのは、自分の時給価値を下げているようにも見える。
しかし、それは逆だ。ライターへの修正依頼やフィードバックを一切しないクライアントほど、長期的にパフォーマンスを落としてしまいかねないのだ。
あなたに修正依頼を出し、なぜそこを修正して欲しいのかといった理由を伝えることで、あなたは次からその部分が修正なしでできるようになる。
するとどうなるか。次から記事のクオリティが上がり、クライアントの手間が省けるのだ。となれば、クライアントからすれば、修正依頼やフィードバックを重ねていけば自分がどんどんと楽になるし、ライターもどんどん成長していく。
もちろんライターへフィードバックするのは時間もかかるし大変ではあるが、長期的にみるとその方がパフォーマンスは上がる。
今、厳しい修正依頼やフィードバックを受けている人は、クライアントのそういう考えも踏まえて取り組んで欲しい。
クライアントは、いじめやパワハラ的な発想であなたを詰めているわけではない。
あなたに少しでも成長してほしいためにやっているのである。
もちろん、修正なんてクライアント側でささっとやってしまった方が楽なのは楽だが、それだとライターに伝わらない。ライターは「どこを直されたのか」わからないので、次に活かせれない。それだと、結局次の原稿でも同じミスをしてしまう。だからいちいち、面倒な修正をライターにやってもらうのだ。
修正依頼やフィードバックは、クライアントもライターも両方に負担がある作業だ。でも、だからこそ効果がある。
お互いに負担がかかるからこそ、「少しでもよくして、負担を減らそう」というインセンティブがお互いに芽生える。「めんどくさいから楽したい」という気持ちがエネルギーに変わるのだ。
逆に、ほとんど修正依頼がなく、フィードバックもない場合は、もしかしたら期待されていないのかもしれない。もちろん、クライアントが切羽詰まったりしてたら普通に時間がなくてできないかもしれないが、少なくとも期待してない人にわざわざ時間をかけることなんてしないはずだ。
クライアントとライターは、しっかりと意思疎通することが大事だ。なのでまずは「なんで俺は修正とかフィードバックをたくさん受けるんだろう」っていう理由を考えてほしい。
その理由がわかれば、次からの仕事への姿勢も大きく変わるはずだ。
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