「僕、ライター初心者なんですけど、こんな僕でも仕事取れますか?」

こんな質問をよく頂くのだが、もちろん初心者でも仕事は取れる。

初心者ライターには初心者ライターなりの価値があり、潜在能力がある。しかし、これが自分では中々分からない。「自分には実力がないから仕事なんて取れるはずはない」と勝手に思い込んでしまうのだ。しかし、そんなことはない。

おそらく「初心者だから仕事が取れない」と思っている人は、どこか勘違いをしているのではないだろうか。もちろん、初心者でまだWordPressも使ったことも無いようなあなたが有名なインフルエンサーや上場企業から直接仕事を発注してもらえるかというと、おそらく難しいだろう。彼らはかなりの目利きでライターを選別しているので、残念ながら副業の初心者ライターに直接仕事を発注する余裕はない。

しかし、そもそも初心者がそんな層から仕事を取ろうと考えていること自体、ズレている。じゃあどうすれば良いのかというと、初心者ライターであるあなたに仕事を依頼したいと思っているクライアントを探せば良いのだ。

ここで「え、初心者に仕事を依頼したい人っているの?」と思うかもしれないが、相手があなたに発注する目的や意図は様々だ。実際に僕も初心者へ仕事を発注するケースがあったりする。

例えばなるべく低予算で仕事を発注したい人もいれば、品質は二の次で、とりあえず納品数を増やして欲しいという人もいる。また、クリエイティブな仕事というよりは、どちらかというと作業的な内容を頼みたいとか。また、今はまだまだスキル的には不十分だが、ポテンシャルを見込んで今から育てていきたい、と言ってあなたを指名するクライアントもいるだろう。

そんな時に、クライアントの力になるのが初心者であるあなただ。あなたは初心者だから、他の人とは違って割安で仕事を受注できるし、自分の将来性を売れるし、高単価なライターが嫌う作業的な内容の仕事も巻き取れるし、納品数を増やしたりもできるはずだ。

「初心者は働けない」と言ってしまうと、世の中の人は誰も新しい挑戦ができなくなってしまう。

僕も4年前はライター初心者だった。しかし「安いから」という理由で発注してくれた人もいたし、僕の人間性やポテンシャルを買ってくれた人もたくさんいた。もちろんスキルは荒削りだったし、フィードバックにも多くの時間を使わせてしまった。しかし、それでも僕を使い続けてくれるお客様がいたのだ。それはなぜか。

そう、初心者は「今ある能力」を売るのではなく「将来のポテンシャル」を売るのだ。それはいわば、企業の新入社員のようなものである。

企業の新卒だって、わざわざ企業が人事部という部署を作って、莫大なコストを支払いながら新人を教育している。

今考えると半端なく凄いのだが、すぐに戦力にならないような手取り20万円の新卒を10人も雇えば、それだけで企業が支払う月のコストは200万円だ。

これが一年続けば、コストがなんと2,000万円を超えるのである。

じゃあ、そこまで莫大なコストを払ってまで期待しているものは何なのかというと、それは新入社員1人1人が持つ「ポテンシャル」ではないだろうか。

正社員と副業(フリーランス)の違いはあれど、あなたの価値を将来のポテンシャルで見積もって採用する発注者も少なくはないはずだ。

ただ、将来のポテンシャルを売るのであれば、もちろん人並み以上の努力をしなければならない。あなたが文字単価1円で働いているのならば、文字単価2円で働いてる人に勝とうと思ったら今の2倍は頑張らないといけない。

そして反対に、僕は初心者ライターのような働き方はできない。

今僕が文字単価1円で記事を書けるかというと、書けない。だから、クライアントに「文字単価1円という価格でのサービス提供」は不可能となるわけだ。さらに、僕も今は他のお客様の仕事があるので、大量納品を自分1人の力でできるかと言われたら、おそらく厳しい。

例えば「調べて書くだけ」のような単純なライティング業務を僕が引き受けるのは無理だ。企業的にも、初心者の10倍の値段とかで僕が「やります!」って言っても多分「高い」と言われるだろう。

また、僕は初心者ではなく、すでに4年のライター歴を経てクライアント様も複数お取引をさせて頂いているので、もう「ポテンシャル採用」などはされない。

このように、実は初心者には、歴の長いライターには真似できない価値提供の手段があるのだ。

初心者と玄人の関係は、本当に「コインと表と裏」の関係に等しい。

初心者ライターは安い。しかし、玄人ライターは高い。

初心者ライターは手が空いている。しかし、玄人ライターは手がパンパン。

初心者ライターは誰にも染まっていない。しかし、玄人ライターは既に誰かの色に染まっている可能性が高い。

このように、初心者にできないことをベテランはできる一方、ベテランにできないことを、初心者はできるのだ。

初心者には、初心者にしか用意されていないステージがあるはずだ。ドラゴンクエストでも、最初はスライムを倒すことから始まるように、初心者ライターも、まずは自分にあった舞台で仕事を取って行く必要があるだろう。

そもそも「私、初心者です」なんて言わなくていい。あなたが初心者かどうかなど、クライアントには関係ない。結局大事なのは、あなたが提示するサービスに対する対価だ。

文字単価1円であなたが文章を売るなら、文字単価1円分の仕事をすれば、この前までパソコンすら持ってなかったようなスーパーウルトラ初心者であっても関係ないのである。

あなたは原稿を書いてお金をもらう、という仕事をやってる以上、初心者ではなく「文章のプロ」なのだ。

世の中には低価格でモノやサービスを販売する業者がたくさんある。じゃあ、1つのハンバーガーを100円で売るあのファーストフード店は、「ハンバーガーを売る初心者」だろうか?一本10円のうまい棒を販売している駄菓子屋さんは、「駄菓子の初心者」だろうか?みんなプロだ。

というわけで、初心者ライターだから仕事が取れないというのは真っ赤な嘘である。

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