ライターはクライアントありきの仕事なので、相手の心理を知っておくことは重要ですが、ほとんどのライターが相手の立場に立ったことがなく、その心情も中々理解し難いと思います。
僕はライターとしてお客さんに原稿を納品する傍ら、ディレクターとしてライターにライティングを発注するクライアントの立場も同時に経験しているので、少なからずクライアントの気持ちがわかります。
というのもあって、今回はクライアントがライターに対して抱えている本音を話していこうと思います。
1.工数をかけたくない
まず、クライアントは工数をかけたくないと思ってます。身も蓋もないですが、外注には2種類のタイプがあります。1つ目は、自分が得意ではないことをその道のプロフェッショナルに依頼して、更なるパフォーマンスを出すための外注。そして2つ目は、その仕事を自分でやるのが面倒だから、代わりにやってもらうための外注。
特に後者の場合、クライアントはあなたに面倒で大変な仕事を丸っと投げて、自分はなるべく工数をかけずに好きなことをして過ごしたいのです。
「自分の好きなこと」とは、さらに上のレイヤーの仕事とか、新規事業の立ち上げかもしれませんし、単にNetflixを家で見たり、知り合いの経営者と飲みに行ったり、ギャラ飲みアプリで出会った女の子と遊んだりなのかもしれません。
つまり僕たちのようなライターは、クライアントの時間を作るために存在しているのです。
たまに「ライターとクライアントはビジネスパートナーだ」的な言論をTwitterのタイムラインでも見かけますが、それは本当にごく一部のできる人たちだけであって、正直全員が全員そうではありません。
もし、初学者のあなたが大物のクライアントに対して「俺は〇〇さんのパートナーだ」という認識で接していたら、なんかちょっと勘違いしてるやつ扱いされて終わりでしょう。
あなたの仕事は、クライアントの工数を減らすことです。「売上に貢献すること」ではありません。それもたしかにそうなのですが、それはもうちょっと先の話です。
2.なるべく手間を減らしたい
基本的に人は楽をしたい生き物です。だから世の中には「簡単にできるダイエット」「楽して稼げるノウハウ」みたいな情報商材が出回るんですね。
さて、楽をしたいのはクライアントも同じでしょう。できることならば、あなたから上がってきた原稿を、そのままアップするなり、クライアントに提出するなりして楽したいと思っています。
ただ、クライアントも記事の質の担保をする必要があるので、あなたの原稿の欠陥を見て見ぬフリはできません。そこで「次こそは」と言わんばかりに、念入りにフィードバックをして修正依頼を出します。
これは前回も「なぜあなたは記事の修正を求められるのか」という記事で話しましたが、クライアントは自分の工数と手間を減らすためにフィードバックしています。それはあなたのためでもありますが、自分のためでもあるのです。
3.ライターが納期を守ってくれるか不安
これは特に、エンドクライアントとライターに挟まれているディレクターに言えるのですが、彼らはあなたが納期をしっかりと守ってくれるかとっても不安です。
ディレクターはクライアントに大まかな納期を定めた後に、ライターへ記事作成の依頼をし、自分が編集してクライアントへと提出します。
つまり、あなたが原稿を出さないことには、ディレクターは納期を守れません。つまり、あなたとディレクターは運命の鎖で繋がっているのです。
そうとなれば、ディレクターとしてはライターに納期を飛ばれては困ります。なので「コイツは納期を守れそうか」というところを見てないようでかなり見ているのです。中には何も言わずドロンと飛ぶようなライターもいるので、あなたはまず第一に「ワタシは絶対に納期を守れます」という旨を伝えられるようにしなければなりません。
例えば、依頼をもらったらその時点で大まかなスケジュールを共有するとか、都度進捗を伝えるとか、そのあたりは特別なスキルがなくてもできることなので、相手の不安をなるべく排除できるようにしましょう。
4.優秀なライターがいたら丸っとお願いしたい
先ほど伝えた「1.工数をかけたくない」「2.なるっべく手間を減らしたい」に結びつくのですが、発注者は常に優秀なライターを探していて、できるならそういうデキるライターに丸っと仕事を発注してしまいたいと思っています。
なぜなら、優秀なライターが一人で自分たちの仕事を引き取ってくれれば、発注者はかなりの工数削減になり、かなりの手間が省けるからです。
まず当然ですが、優秀なライターであればその分高いクオリティの記事を作ってくれるので、こちら側が品質をチェックする工数が削減されます。
そして、優秀なライターはコミュニケーションコストも低く、やりとりもかなりスムーズに済むので、手間もかなり削減できるでしょう。
そういうライターに仕事を丸っと任せられれば、他に工数がかかるライターを採用しなくても済むので、発注者は一人に大量の依頼ができるようになります。
それが発注者の心理なので、あなたが腕に自信を持ってるのであれば、思い切って「僕はあなた達にたくさんリソースを提供できますよ」と提案してみても良いかもしれません。
そこはお互いに探り探りであることが多いです。クライアントも、実はもっと仕事を巻き取って欲しいって思ってたりもしますからね。
このように、クライアントが考えていることはシンプルです。クライアントは、少しでも楽をさせてもらえるライターと巡り会いたいと思って、Twitterで採用活動をしたり、クラウドソーシングサービスを使ったりしています。
こういうクライアント側の心理を理解しないままに仕事をしてると、きっとどこかでボロが出てしまうでしょう。
恋愛なんかと同じで、まずは相手の気持ちを理解した上で仕事をしていきましょう。
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